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基本設計を開始する際の出発点がプロセス設計です。化学工学についてある程度知っており、プロセス設計を学びたい方を対象としています。「プロセス設計の実務」はプロセス設計への実務編としてもご利用下さい。

プロセスエンジニアリングの計算ルール

ガスの圧力損失計算液体の圧力損失計算水スチームのフラッシュ計算縦型円筒容器の容量計算 前のページへ
ガス放出の必要時間液体ドレンの必要時間圧縮機の軸馬力計算ポンプの軸馬力計算 次のページへ

1.7 平衡定数近似式の確定

前節で任意の温度Tにおける水蒸気改質反応における平衡定数Kを求める式を設定しましたので、これを使って0~1500℃の範囲における水蒸気改質反応の平衡定数Kを計算してみましょう。

lnK=-1.93E+05/(8.314×T )+(36.878)/(8.314×lnT)+(1.02E-01)/ (2×8.314×T)+(-3.17E-04)/(6×8.314×T^2)+(2.54E-07)/(12×8.314×T^3 )+(-6.07E-011)/(20×8.314×T^4)-6.1697


その計算結果を下図に示します。


物質熱収支において、ストリームの組成からある反応の平衡定数を計算し、平衡温度あるいは運転温度を求めたり、逆に運転温度からストリームの組成を計算することが多々あります。そのような場合、平衡温度と平衡定数の関係を近似式として求めておくと便利です。
そこで、平衡温度(絶対温度T)の代わりに“変形絶対温度(Tt=10^3/T-1)を導入して、次の近似式で表現することにします。

lnK = a×Tt^3 + b×Tt^2 + c×Tt + d

500~1000℃までの範囲における水蒸気改質反応の平衡定数Kpと変形絶対温度およびlnKを計算した結果を下表に示します。



先ほどの図の横軸を変形絶対温度(Tt)に変更し、縦軸に平衡定数Kの自然対数を持ってくると下図になります。この図から近似式を設定して、各係数を求めると以下のようになります。これで水蒸気改質反応における平衡定数の近似式が確定されました。

lnK =8.000E-01×Tt^3+5.162E-01×Tt^2-2.713E+01×Tt+ 3.208E+00



以上の平衡定数の計算書のExcel版(ReactionEqulibrium.xls)を作成しましたので、興味ある方はダウンロードしてみて下さい。この中には水蒸気改質反応と同時並行で起こるCOシフト反応に関する近似式も載せています。

ダウンロードする LinkIcon

近似式と有効数字の桁数

平衡定数の近似式を確定し物質収支計算表に反映させる場合、有効数字の桁数に注意する必要があります。少なくても温度(***℃)と同じかそれ以上の桁数(3以上)でないと計算結果の精度は低くなります。
また、繰り返し計算などが必要となり、Excelで”ゴールシーク”や”ソルバー”を使用する場合には、「ツール」→「オプション」→「計算方法」で表示される”変化の最大値”を 0.0001~0.00001 にする必要があります。もし、0.001程度では計算結果の誤差が大きくなるので注意しましょう。