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  ガスの放出時間の計算


ここでは断熱膨張をベースとして、閉じられた空間からガスが放出される際の変化について考えて見ます。そこで下記に放出時間を計算出来るようにしました。


使い方は簡単で、必要なパラメータを入力した後に”calculation"ボタンをクリックすれば計算します。
Tabキーを使えば順番に入力枠に移動します

ガス放出時間の計算

ノズル内の膨張流動

気体を圧縮すると温度が上昇し、逆に膨張すると温度が低下します。この変化が短時間であれば外部との熱の授受がないので、断熱圧縮あるいは断熱膨張をすると考えられます。
ここでは断熱膨張をベースとして、閉じられた空間からガスが放出される際の変化について考えて見ます。

プラントの容積の大部分は容器と配管の体積で占められています。特に蒸留塔の体積は他の機器に比べ一桁大きいので、試運転前に蒸留塔を配管のフラッシングに使う圧縮空気のホールダーとして利用した経験があります。
すでに絶版となった谷下市松氏編の大学演習工業熱力学に以下の問題が記載されています。ただし、数値はSI単位系に変換してあります。

  1. 圧力15MPa、温度15℃の空気をつめた容積150Lのボンベがあります。この空気を面積5mm2のノズルより大気中に放出する場合、
  2. ボンベ内の圧力が0.5MPaになるに要する時間を求めよ。
  3. もし、この過程で容器とその内容物との間に熱交換がなく、容器内に残る空気の膨張が断熱的に行われるとすると、ボンベの中は最低何度まで温度が下がるか。

gas blow off time calculation

ガス放出時間と放出後温度

変数 項目 単位 数値
P1 初期圧力 MPa
P2 終了圧力 MPa
T1 初期温度
V 体積 m3
d 穴径 mm
MW 分子量 -
k 断熱指数 -
n ポリトロープ指数 -
計算結果
time 放出時間 sec
T2 放出後温度(参考)


使い方

ある圧力を持った空間(例えばシステムや容器)に閉じこめられているガスを、
弁やノズルまたは放出管から大気中に放出に要する時間を求める計算ツールです。
放出後の温度は断熱変化とした場合の温度です。

P1(初期圧力)、P2(終了圧力)、T1(初期温度)、V(体積)、d(穴径)、
ガスの分子量や断熱指数(k)、ポリトロープ指数(n)を数値欄に入力し、
"calculation"ボタンをクリックすれば、ガス放出時間と、
放出後の空間内ガス温度の計算結果が表示されます。

一部の数値を変更してやり直す場合には、再入力後に
"calculation"ボタンをクリックして再計算して下さい。

注意事項

(1)断熱指数にはガス組成から決まる比熱比を入力して下さい。
(2)等温変化と見なす場合には、ポリトロープ指数に1.0を入力して下さい。
(3)断熱変化と見なす場合には、ポリトロープ指数に断熱指数(比熱比)と同じ数値を入力して下さい。
(4)実際の変化は熱の出入りを伴うポリトロープ変化です。
(5)断熱指数(比熱比)は、水素、窒素、酸素および空気では1.4が適当です。

ガス放出時間の計算式は、

time = 2V/[(n-1)*A*K]×1/(2g*R*T)^0.5×[Pratio^N-1] :断熱変化&ポリトロープ変化

time = V/[A*K]×1/(2g*R*T)^0.5×ln(Pratio) :等温変化

ただし、

V:体積(m3)、A:穴断面積(m2)、T:初期温度(deg.K)、
n:ポリトロープ指数、R:ガス定数(=847.8/MW)、

K = {k/2×[2/(k+1)g]^[(k+1)/(k-1)]}^0.5
N = (n-1)/2n