この”プロセス設計の実務”では、プラントエンジニアリングの基幹となるプロセス設計の”イロハ”について説明しており、プラントエンジニアリングやプロセスエンジニアリングに興味がある社会人や学生を対象にしています。

この”プロセス設計の実務”では、基本に帰って「プロセス設計とは?」をもう少し掘り下げていきたいと考えています。その進め方については以下のように考えています。

  1. 「天然ガスを原料とする水素製造プラントのプロセス設計」を例題として設定いたします。
  2. プロセス設計というよりは基本設計+詳細設計の一部を含めた範囲としますので、機器設計や配管設計などに言及することが多くなります。
  3. 実際の設計に使用するエンジニアリング・ツールなどを使用しながら説明いたします。
  4. 更新のインターバルは原則として週1回(月曜日)と考えていますが、他のテーマを優先することもあります。

6. 熱交換器の設計

6.3 熱交換器の選定(No.38)(2009.11.22)
6.3.1 熱交換器の分類と種類

構造と分類

熱交換器の分類方法には色々あるが、最も広く用いられているのが構造による分類で、一般的にはチューブ式(tubular)、プレート式(plate)、再生式(regenerative)に分かれている。

この中のチューブ式には二重管式(double pipe)、シェル&チューブ式(shell & tube)、スパイラル式(spairal tube)があり、その中でも最も多く使用されているのはシェル&チューブ式熱交換器である。

シェル&チューブ式とTEMA

シェル&チューブ式熱交換器はその多様性から、扱う流体性状や使用目的に応じた型式を提供することが出来る。

このシェル&チューブ式に関する標準(standard)としてTEMA standardが有名である。このTEMAは”Tubular Exchanger Manufacturers Association, Inc.”の略で、1941年にTEMA StandardのFirst editionを出版して以来、2007年のNinth editionまでほぼ10年置きに更新している。
最新のNinth editionではそれ以前に無かった有限要素法により解析アプローチをベースにした基準や、長手バッフルの設計などが追加となっている。

このTEMAのホームページのTEMA Softwareから”Flow Induced Vibration Software”や”Fixed Tubesheet Software”などがダウンロード出来る。ただし、ライセンスアグリーメントなどを許諾が必要で有料である。

また、FAQ'sにアクセスすると、下記に示す”Specification sheets”と”Nomenclature Chart”が無料でダウンロードできる。

膜状凝縮と滴状凝縮

「化学工学概論」(八田四郎次、前田四郎共著:共立出版発行)によれば、膜状凝縮とは

凝縮した液が膜状に壁面に付着しながら重力で流下する状態。

鉛直方向に設置されている冷却面を考えると、上部では液膜厚みが薄く重力の影響が大きいので層流を形成しているが、下に行くに従い液膜の厚みが増し、乱流を形成する。
これに対して滴状凝縮とは、

凝縮液が滴状となって滑り落ち、壁面の大部分が絶えず裸で直接蒸気に触れている状態。

この滴状凝縮に関する現象については良くわかっていないので、凝縮器などの設計においては膜状凝縮を前提においた性能計算を行うことになっている。