3. 停電と安全設計
3.1 停電とプラント
3.1.2 化学プラントにおける電力供給安定化
化学プラントにおける電力供給システムは、プラントを取り巻く電力状況により大きく左右されます。
石油精製や石油化学プラントなど、アップストリームからダウンストリームまで大きな複合体を形成する場合には、相互扶助の関係から電力供給も二重三重のバックアップが可能になっており、自家発などの設備を設けることは稀であります。
ただし、前回説明した安定化装置の中で、ディーゼルエンジン発電機などの”緊急用発電装置”や計装機器用電力を供給する”無停電装置”を設置することは多いようです。一般的に、これらの設備が電力を供給できる時間は30分で、その間で安全にプラントを停止するようにしているようです。
無停電装置は計装機器用電力を供給することが目的ですので、運転制御室近辺に設置されます。同じく、ディーゼルエンジン発電機などの”緊急用発電装置”も、緊急時の起動を考慮して運転制御室近傍に設置されることが多いようです。
3.1.3 ディーゼルエンジン発電機の起動
ディーゼルエンジン発電機を運転するためには、燃料であるディーゼル油と冷却水、それと起動用に圧縮空気が必要となります。そのためにこれらのユーティリティーをプラントとは分離独立させて用意しておく必要があります。
つまり、プラントユーティリティー設備から冷却水を供給するシステムにしておくと、停電時にメインの冷却水設備が停止し、冷却水をディーゼルエンジン発電機に供給できなくなり、結果的にディーゼルエンジン発電機を起動できないことになります。
このために、燃料は燃料タンクに保管し、冷却水も冷却水タンクを別個に用意し、しかもgravityで供給できるように配慮します。また、圧縮空気はプラントの圧縮空気ドラムから供給できるようにしておきます。
このように準備しても、ディーゼルエンジン発電機を起動できない可能性が無いわけではありません。このような場合にどのようなトラブルが予想されるでしょうか。また、その対策は・・・。
次回に続く。



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