ケミカルエンジニアリング、基本コンセプト、物質収支、熱収支、エネルギー収支、平衡、熱流動、経済性評価

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この”良くわかるケミカルエンジニアリング”は、ケミカルエンジニアではない他部門のエンジニアを対象にした入門編です。既掲載の”プロセス設計の実務”より平易に基本的な事項を含めて書いています。プラント関係の業務に携わっているエンジニアを対象にしています。

ケミカルエンジニアリングを勉強したい人のための技術専門書

化学工学概論 新版

昭和19年に初版発行され昭和50年代まで出版された息の長い教科書。現在は絶版ですが、古本として幾つか市場に出回っている。

化学機械の理論と計算 第2版

昭和24年に初版出版され平成14年に第20刷となった化学工学の名著。新本も入手できる。

Excelで気軽に化学工学

化学工学会機関誌「化学工学」で連載された化工計算の実際を集大成したもの。Excelで作成された計算例があり即戦力になる。

化学工学―解説と演習

最近の化学工学の理論と実践を整理したもので、例題も多く掲載されている。多少、化学工学の知識がある人向け。

1.2 物質収支
1.2.1 物質収支(液体)続き

前回、下図(図1-1)にあるようなシステムにおいて、「或る限られた時間内で流入する質量と流出する質量を同じにするにはどうしたらよいのでしょうか?」という問いかけをいたしました。
Mbal001.png図1-1
その答えを出すためにもう一度、図1-1の物質収支を考えてみましょう。ここでは瞬間的な流量ではなく、ある限られた時間内での量をベースにして考えてみます。つまり、流入するFaを或る時間で積分した流入量Qaと、流出するFbの同じ時間内での積分値Qcとの関係です。ドラム内量の変化ΔQdを考慮すると、このシステムの物質収支を表す次式が成立します。

Qa = ΔQd + Qc
Qa - Qc = ΔQd

ここでΔQdはQa>Qcであれば正、Qa<Qcであれば負の値となります。つまり、Qa = QcにするためにはΔQdが”0”にしなければなりません。それはドラム内液面を一定の高さにすることに他なりません。
そこで、、「或る限られた時間内で流入する質量と流出する質量を同じにするにはどうしたらよいのでしょうか?」に対しては、

  1. ドラムに液面制御機器を設置する。
  2. 常にドラム内液面が一定になるようにFaもしくはFb(=Fc)の流量を制御する。
  3. 流量を制御するためにFaもしくはFb配管に制御弁を設置する。

この新しいシステムを図1-2に示します。
制御弁をFaあるいはFbにするかは、Faの供給元で流量変化を許容するかどうか、そしてFbの供給先での流量変化を許容するかどうかにより変わってきます。
Mbal002.png図1-2

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液体密度の温度変化

液体の密度の温度変化は気体に比べ非常に小さい。例えば、水の密度の温度変化はおよそ0.3%~0.4%/10℃です。
もし、当初、密閉された容器(大気圧)に30℃の水が満液で保管されており、外部から加熱されて温度が10℃上昇して40℃になったとします。すると、容器内圧力は何気圧まで上昇するでしょうか?
この問題を解くには温度と圧力が変化した場合の水の密度変化が必要です。つまり、

大気圧下で、995.7kg/m3 @ 30℃ & 992.3kg/m3 @ 40℃

容器の大きさは変わりませんから、温度40℃に変化しても密度は30℃の995.7kg/m3にならなければなりません。そこで、温度40℃で密度が995.7kg/m3になる圧力を求めてみます。
下図に水密度の圧力変化を示しました。この図で当初の密度995.7kg/m3になる圧力を求めますと、何と8MPa(約80気圧)になることがわかります。つまり、温度が10℃上昇しただけで圧力が80倍に上昇するのです。これでは容器から水が漏れたり容器そのものが破裂するリスクがあります。
Mbal003.pngクリックすると大きくなります。


そのために、密閉で外部より加熱される可能性がある場合には安全弁を設置しなければなりません。その吹出し流量は容器容量と圧力増加率(温度上昇速度に依存)から求めることが出来ます。また安全弁のサイズは吹出し流量と安全弁の設定圧力やその他の条件(例えば背圧など)が決まれば、例えばAPI RP520 式3.12から計算します。