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化学工学はプロセス設計の基本となる工学で、原料から製品を作るためのものの流れ(狭義のプロセス)を具象化するために考えられた工学です。

化学工学を確立することで、以下の作業が可能となりました。

  1. 原料から製品を作るための手順(工程)を策定する。
  2. 工程に必要な機能を明らかにする。
  3. 機能を有する装置や機器を開発あるいは選択する。

工業的に生産されている化学物質は約10万種類あり、それぞれの生産プロセスに必要な装置や機器を1から設計することは限られた時間と経済的な面からあり得ないことです。

そこで化学プラントに共通する機能を抽出し、機能に係わる基礎理論と対応する装置の設計手法を決めました。それが化学工学の基本科目と応用科目です。

基本科目では化学や物理化学などの基本理論や現象を学習し、応用科目では化学機械の設計方法やプラント建設に係わる経済性評価を学習します。

化学工学の基礎と応用化学工学の基礎と応用
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第2章 化学工学と化学プラント

2.1 化学プラント建設
2.1.6 設備費と建設費の見積

化学プラント建設に対しゴーサインを出すかどうかは中長期的な見通しから決まるが、その理論的かつ実践的な手法が「経済性検討」である。この「経済性検討」の基本データーの一つとなるのがプラントの設備費や建設費の見積である。

プラントコストを精度良く推算するためには実際に見積をメーカーから取って、そこに経費を加て積算すれば良いのだが、計画段階ではメーカーもなかなか本気にならないので、精度の良い見積結果を入手することは極めて困難である。
例えば、ネゴ代という言葉があるが、これは客先からコストダウンを要求されることを見越して、最初からその分を見積金額に上乗せしておく。そのために建設費の見積を行う場合にはネゴ代分を差し引いておく必要があります。

そこで自分たちで精度良くしかも短時間にプラントの設備建設費を算出する必要が出てきた。そのために”コストエンジニアリング”という考え方が育ってきており、そこでは精度と時間を考えてコスト積算手法を三段階程度に分類している。つまり、

  1. 簡易積算:プラント建設計画を進めるか否かを判断や、複数のプロセスから経済性に優れたプロセスを選択するために行われる積算で、過去の類似プラントコストなどを参考に行う方法。
  2. 詳細積算:簡易積算より精度を要求される際に使用する方法で、短時間に結果を出す必要がある場合に採用される。時間的に余裕がないので設備や機器の手持ちコストデーターを最大に使うが、主要機器に関してはメーカーから見積もりすることもある。設備機器費をもとに材料費(配管や計装部品)や建設費などを推算して積算する方法。
  3. 確定積算:詳細積算より精度を要求されるケースで、殆どの設備機器費は勿論、配管や計装部品などの材料費などもメーカーから見積を出してもらい、それらを積算する方法。


このどの積算方法を選定するかで、プロセス設計部門から詳細設計部門の関わり方は決まってしまう。
例えば、簡易積算や詳細積算では、少なくても設備や機器の型式や大きさ、そして数量が必要となるので、プロセス設計部門を中心にコスト積算用のプロセスデーターを作成する。このデーターには仕様だけでなく後々コストを記載するので、ワークシートとして別途管理する。それ以外にプロセスフロー図(PFD)や機器リストが必要となる。

これに対して確定積算ではプロセス設計部門から配布される設計用のプロセスデーターをもとに、詳細設計部門が見積用データーを新たに作成してメーカーなどへ配布する必要があるので、見積結果を収集してまとめるまでには数ヶ月の月日を必要とする。

下図に設備費ならびに建設費を見積する手順を示した。ここでは詳細積算あるいは確定積算を念頭に置いた作業手順を示しており、それぞれの手順を簡単に説明する。

  1. プロセスフロー図の作成:主要機器や必要なユーティリティーなどが記載されている。
  2. 物質熱収支の作成:機器の大きさを決めるための基本データーを作成する。
  3. 主要機器のサイジング:設備や機器の型式、数量、大きさを決定する。サイジングと呼ばれる。
  4. ユーティリティー設備の計画:必要な冷却水やスチームを供給する設備の仕様を設定する。
  5. レイアウトやプロットプランの作成:プロセスフロー図をもとに建設費を推算するためのレイアウトやプロットプランを計画する。
  6. 機器、装置&バルク(配管や計装材料)コスト推算:主要機器のサイジングやユーティリティー設備の計画をもとにコストを推算する。
  7. 設備費と建設費の計算(積算):コスト積算方法をもとにプラント建設費を計算する。
  8. 原単位の計算と原料費などの計算:物質熱収支をもとに作成原燃料原単位およびスチームや電力の原単位を計算し、年間の原料費などを計算する。この計算結果は経済性評価に使用される。


コストカーブとコストファクター

プラントや設備機器費を推算する際に使用されるもので、例えばプラントコストであれば横軸にプラント生産量を縦軸にプラントコストをプロットし、曲線で表したものをコストカーブという。
一般的にはこのコストカーブは次の累乗近似式で表現されることが多い。、

y = a*x^b

ここで、y がプラントコスト、x がプラン生産量、a がプラントコストのオーダーを表す定数で、b がコストの変化率である。コストファクターはこのb を意味しており、一般には0.6~0.8の間が多い。
機器費も同じような近似式で表されるが、x に相当するのが機器の容量である。例えば容器では容量m3が、ポンプでは吐出流量と揚程が相当する。