Process Simulator & Artificial Intelligence

プロセス性能をプロセスシミュレータとAIで予測します。

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4. メタン濃度とプロセス変数

4.1 メタン濃度への変数感度

改質ガス中のメタン濃度に影響するプロセス変数は原料成分(含まれる炭素と水素の比率:C/H, carbon by hydrogen)と、原料中の炭素に対する水蒸気のモル比と改質温度および改質圧力です。

解析を簡略にするためにプロセス変数として温度と圧力のみを選定しました。温度範囲は850℃から900℃、圧力範囲は1.0MPaから3.6MPaで、下図に示すように温度点数27、圧力点数25から計84ケースを選定し、プロセス計算をCOCO/ChemSepで行いました。

ここで温度と圧力のメタン濃度への感度をチェックしてみます。計算結果から温度範囲の1割、つまり8℃変わった場合のメタン濃度の変化は0.04%でしたが、圧力範囲の1割、つまり0.23MPa変わった場合のメタン濃度の変化は0.004%でした。その結果、メタン濃度に対して、温度変化は圧力変化の10倍の影響を持つことが確認できました。


4.2 重回帰分析によるメタン濃度のシミュレーション

計算点数84に対して温度と圧力を変数とする重回帰分析を行いました。その結果、得られた重回帰式とグラフを下記に示します。

グラフからメタン濃度が2%以下と5%以上では、メタン濃度の計算値が重回帰式からかなりズレていることがわかります。
ここでZをメタン濃度%、Xを温度℃、Yを圧力MPaとしています。

Z = 0.395-0.000460X+0.0204Y


4.3 PredictionOneによるメタン濃度シミュレーション

重回帰分析でのメタン濃度のシミュレーション結果は、残念ながら期待通りにはなりませんでした。この理由は温度および圧力の変化とメタン濃度の変化が線形ではないことが原因で、その中でAI、PredictionOneがどれだけ対応できるかをチェックしました。その結果を下図に示します。

PredictionOneではかなりの確度でメタン濃度をシミュレーションできることが分かりました。ただし、温度および圧力の値を出来るだけバラバラに選定し、またある限度以上の点数(例えば40〜50)が必要であることが分かりました。