CQ:Comtec Quest ReNewals !!


Google
WWW を検索 サイト内を検索

プロセス商品開発

コムテック・クウェストではプロセス商品開発に関するコンサルタントや、商品化に向けてのエンジニアリングも手掛けております。
前のページ

”プロセス開発”や”商品開発”に関する悩みをお持ちのかたは、お問い合せフォームに、名前、メールアドレス、および簡単な内容を記入してお問い合わせ下さい。また、メールでも受け付けています。

次のページ

5. エネルギー原単位

5.1 エネルギー原単位と燃料原単位

燃料原単位はその名の通り単位製品量当たりに消費される燃料の量で、原料原単位と同じく[GJ/ton]や[Nm3/kg]で表現されます。燃料としては天然ガスなどの気体燃料、重油などの液体燃料、石炭などの固体燃料が使用されています。

一方、エネルギー原単位は燃料以外の電気やスチームなどのプラントに供給されるエネルギー合計の消費量で、これ以外に温水や熱媒油なども含まれることもあります。エネルギー原単位の単位は先ほどの[GJ/ton]などが使用されることが多いようですが、環境分野などでは原油の消費量、つまり、石油換算トン(41.9×GJ = 11.6×MWh)や原油換算キロリットル(38.7×GJ = 10.8×MWh)などが使用されています。

5.2 エネルギー原単位の種類

燃料や電気、スチームなどはどのような用途に使用されるでしょうか。一つは加熱用や駆動用に使用されています。また、スチームはプロセス用として使用されています。
原料などを所定の温度まで加熱する際に使用されるのが加熱用で、

  1. 燃料は燃焼することで火炎を形成し、そこからの輻射や対流などの伝熱により対象物を加熱します。
  2. スチームや温水を直接、対象物に投入して加熱するか、スチーム・温水・熱媒油を使って熱交換器を介して間接的に対象物を加熱します。
  3. 電気ヒーターにより対象物を直接的あるいは間接的に加熱します。


駆動用として電気は電動機(モーター)に使用され、スチームはスチームタービンの駆動源として使用されます。また、燃料もガスタービンの燃料として使用されて、プロセス圧縮機の駆動源として使用されることがあります。

プロセス圧縮機:プロセスの主要工程で使用される圧縮機のことで、プラントの保全などに使用される空気圧縮機や窒素圧縮機とは区分されます。

プロセス用スチームとは化学反応に必要なスチームで、例えば水蒸気改質反応やCO転化反応に使用されるスチームのことです。

5.3 バウンダリと物質収支

バウンダリ(boundary)は境界のことで、化学プロセスの原単位を考える上では重要な概念です。
例えば、原料である水素ガスと窒素ガスを受け入れてアンモニアを合成するプロセスを想定します。原料である水素ガスと窒素ガスが十分な圧力を有しているとすれば、圧縮されることなく両者のガスはアンモニア合成系に供給されます。このアンモニア合成系の境界(バウンダリ)はアンモニア合成工程を取り囲む範囲で、そのバウンダリへのインプットは水素ガスと窒素ガスの二つ、アウトプットは製品であるアンモニアとなります。このバウンダリで囲まれた閉じられた領域における物質収支は次式で表現します。

水素ガス+窒素ガス=アンモニア

5.4 バウンダリに供給されるユーティリティ

アンモニアの合成条件を圧力15MPa、温度400~550℃としますと、水素ガスや窒素ガスを400℃以上に加熱する必要があります。

それでは加熱媒体として何を使用するのでしょうか?
まず、対象物の温度をから大まかに以下のように分類されます。

  1. 100℃以下:温水、スチーム、電気
  2. 200℃以下:スチーム、電気
  3. 300℃以下:スチーム、熱媒油、電気
  4. 300℃以上:熱媒油、燃料、電気


100℃以下では温度レベルの低い温水と低圧スチームを使用します。まれに電気も選択肢の一つです。100℃より高い200℃までの加熱ではスチームが多く使用されています。300℃以下では多くの場合、熱媒油が使用されます。300℃以上では燃料が使用されることが多いようです。
アンモニアの場合には合成温度から加熱媒体としては燃料となります。そこで燃料をバウンダリに供給することにします。また、燃料は燃焼して排ガスとして大気中に放出されますので、先ほどのバウンダリには燃料と排ガスが追加となります。

次回は化学プラントで最も重要なユーティリティ(スチーム)の消費量、「スチーム原単位」です。

第1章 商品開発を始める前に
1.1 商品開発の意義
1.2 商品開発のリードタイム
1.3 商品開発プロジェクトの発足
1.4 Kickoff Meetingの開催
第2章 商品開発の目的と目標
2.1 差別化の尺度
2.2 製品品質
2.3 製品生産量
2.4 製品コストと原単位
2.5 廃棄物と環境負荷
2.6 商品開発の目標
第3章 商品開発とプロセスの最適化
3.1 Proprietary Equipmentの定義
3.2 商品開発とProprietary Equipment
3.3 プロセスの最適化のステップ
第4章 プロセス最適化の具体例
4.1 最適化の手順
4.2 原料原単位の改善
第5章 エネルギー原単位
5.1 エネルギー原単位と燃料原単位
5.2 エネルギー原単位の種類
5.3 バウンダリと物質収支
5.4 バウンダリに供給されるユーティリティ
第6章 スチーム原単位
6.1 スチームシステムとスチームの温度と圧力
6.2 スチームの用途
6.3 スチーム原単位とエネルギー原単位
第7章 循環を伴う化学プロセス
7.1 循環プロセスとは
7.2 アンモニア合成反応
7.3 循環システムと転化率
第8章 パージを伴う循環プロセス
8.1 不活性ガスとパージ
8.2 パージと不活性ガス
8.3 パージ量と製品生産量
第9章 循環プロセスのパラメータ
9.1 製品生産量と転化率、循環ガス量と羽0寺領との関係
9.2 循環ガス量とパージ量そして製品生産量
9.3 転化率と反応器
9.4 循環比を変えた場合の製品生産量の推移
9.5 転化率を変えた場合の製品生産量の推移
第10章 循環プロセスの最適化
10.1 循環プロセスの最適化
10.2 最適化と経済性評価
10.3 既存循環プロセスにおける最適化
10.4 アンモニア合成循環プロセスの最適化
第 11章 アンモニア製造プロセスの原料原単位
11.1 原料原単位
11.2 水の熱分解(水の解離)による水素製造
11.3 水の電気分解による水素製造
11.4 アンモニア製造の原料原単位
第12章 アンモニア製造プロセスの燃料原単位
12.1 水蒸気改質炉
12.2 燃料の種類
12.3 ボイラと水蒸気改質炉の熱効率