プロセス商品開発

コムテック・クウェストではプロセス商品開発に関するコンサルタントやエンジニアリングそのものも手掛けております。
”プロセス開発”や”商品開発”に関する悩みをお持ちのかたは、お問い合せフォームに、名前、メールアドレス、および簡単な内容を記入してお問い合わせ下さい。また、メールでも受け付けています。

前回の質問に対する回答は以下のようになります。

前回の質問は、
(1) 最適化の対象は個々の工程でしょうか、それとも全工程でしょうか?
(2) Proprietary Equipmentに対してどのような関連づけを行えば良いのでしょうか?

これらに対する回答は、

(1) 最適化の対象はプロセスプラントおよびユーティリティー設備を含む全工程です。
(2) Proprietary Equipmentの性能は最適化を進めるための最重要項目です。(これについて別途説明します)

プロセス最適化の具体例

最適化の手順

プロセス最適化の第一のステップは原料原単位の改善です。つまり、「少ない原料で出来るだけ多くの製品を作る」、これが最適化において最初に考えなければならないことです。当たり前のことを言っているようですが、これがなかなか達成できないところに最適化の難しさがあります。

第二のステップは燃料や電力などのエネルギーの削減です。先ほどの原料原単位の改善では物質収支の計算である程度解決の糸口が見つかりますが、エネルギーの削減ではプロセスプラントのみならずユーティリティー設備まで拡張して熱回収システムの構築を行い、全系の熱収支の計算を検討しなければなりません。

第三のステップでは、プロセス全体を幾つかの工程に分割し、工程ごとに機器コストを推算していきます。例えばメタノールプロセスの場合には、全系を”脱硫工程+水蒸気改質工程”、”合成ガス圧縮工程”、”メタノール合成工程”、”メタノール蒸留工程”、それとユーティリティー設備に分割します。アンモニアプロセスの場合には、”脱硫工程+水蒸気改質工程”、”一酸化転化工程”、”二酸化炭素除去工程”、”メタネーション工程+合成ガス圧縮工程”、”アンモニア合成工程”、”アンモニア冷凍工程”、それとユーティリティー設備に分割します。

第四のステップでは前回説明しましたProprietary Equipmentを中心にケーススタディを行います。このケーススタディの内容はProprietary Equipmentの設計パラメータの種類により変わってきます。例えば、パラメータとして合成圧力を上げるならば、ケーススタディは合成圧力を変えた場合のプロセス性能と機器コストの増減を検討します。

第五のステップでは経済性評価を行うことで製品単価を求め、それがマーケットに受け入れらるかを判断し、もし、NOということになれば第一のステップに戻って検討を続行します。

原料原単位の改善

原単位の改善を図るためには、量論的思考から”最小理想原単位”なるものを把握しておくことが必要です。
例えば1kmolのメタノールを合成するためには、最低限1kmolの一酸化炭素と2kmolの水素が必要となります。

CO+2H2=CH3OH

これらの一酸化炭素と水素を天然ガス(メタン100%)の水蒸気改質にて製造しようとすると、次式から1kmolの一酸化炭素と3kmolの水素が生成します。

CH4+H2O=CO+3H2

ただし、問題を単純化するために、これら二つの式では反応平衡による縛りについては考慮しておりません。そうすると、二つの式をひとまとめにすると次式が成立します。

CH4+H2O=CO+3H2=CH3OH+H2

つまり、天然ガス1kmolから1kmolのメタノールと1kmolの水素が得られることになります。これから製品量ton当たりの原料の持つ低発熱量ベースの原単位を求めますと、

原料原単位=(1kmol-CH4)÷(1kmol×CH3OH)=(1kmol×802.6kJ/mol)÷(1kmol×
32.04kg/kmol)=25.05GJ/ton

これがメタノールを合成するための”最小理想原単位”になります。

ではアンモニア合成での”最小理想原単位”はいくらになるでしょうか?
1kmolのアンモニアを合成するためには、最低限1kmolの窒素と3kmolの水素が必要となります。

N2+3H2=2NH3

この窒素は空気から供給されると考えておきます。また、水素はメタノールと同じく天然ガス(メタン100%)の水蒸気改質にて製造しようとすると、次式から1kmolの一酸化炭素と3kmolの水素が生成します。

CH4+H2O=CO+3H2

二つの式をひとまとめにすると次式が成立します。

CH4+H2O+N2=CO+3H2+N2=CO+2NH3

つまり、天然ガス1kmolから2kmolのアンモニアと1kmolの一酸化炭素が得られることになります。これから製品量ton当たりの原料の持つ低発熱量ベースの原単位を求めますと、

原料原単位=(1kmol-CH4)÷(2kmol×NH3)=(1kmol×802.6kJ/mol)÷(2kmol×
17.03kg/kmol)=23.56GJ/ton

つまり、アンモニアもメタノールもそれらの原料原単位は23~25GJ/tonということになります。

次回は、原料原単位と同様に重要な燃料原単位についてお話しします。