ユーティリティーは用役と訳され、プロセスプラントの運転に必要な電気、水、空気や燃料で、人間の生活に無くてはならないライフラインと同義です。

用役(ユーティリティー)設計とは

これらのユーティリティーを供給する設備をユーティリティー設備(Utility facility)と呼んでいます。

この用役設備(Utility facility)にはスチームや電力などを扱う設備が含まれ、原料や副原料と同様にプラント運転に必要なもので、日常生活ではライフラインとも呼ばれています。

2. 電力供給設備

2.1 電力の種類と電圧

電力は回転機用モーター電源や計装用電源あるいは照明用電源として使用されます。電力の種類は交流か直流か、そして電圧により以下のように分類されることが多いようです。

種類 電圧 用途
高圧 3.3kV ,6.6kV, 11kV 3 高圧モーター用電源(1500kW以上)
中圧 400~415V 3 中圧モーター用電源(150~1500kW)
低圧1 200~240V 1 or 3 低負荷モーター用電源、照明用電源
低圧2 100~110V 1 緊急遮断装置、火災警報、DCS、計器盤
直流 24V,100~110V 1 電磁弁、計装回路など

2.2 電力供給設備とは

電力供給設備は発電設備、送電設備、変電設備および配電設備から構成されています。

発電設備は電力を作り出す設備で、国内では水力、火力、原子力発電所がこれに相当します。送電設備は発電設備からプラントまでに電力を送電する設備で、配電用変電所や送電線路から構成されています。国内では500~1000kVの超高圧送電網が出来ており、お互いに融通し合っています。

変電設備は電力会社から受電するために必要な設備で、国内では電圧が22~77kVの高圧で受電する設備を特別高圧受変電設備、契約電力が50kWを超える工場やビルでは高圧受変電設備が必要となります。

配電設備は受変電設備にて受け入れた電気を工場内に配分する設備である。国内では電力会社からの22kVを6kVに変電し、工場内に再配分している。

2.3 発電設備

電力はプラント内の設備や機械の駆動源で、計装制御回路や照明などの電源としても使用されます。
必要な電力をどのように手当てするかで、プラントの設備仕様や保守内容が大きく変わるので、十分に検討して電力設備の仕様を決めなければなりません。電力供給方法を検討するに当たっては、以下の項目を考慮して決定します。

  1. 近くに工場などがすでに稼動している場合には、外部電力の安定性を調査確認します。もし、安定供給が望めるならば外部電力を主電源に設定します。
  2. 外部電力に不安があるが、他の外部電源を頼る事が出来るのであれば、受電ラインを二系統にして供給の信頼性を高めるか、次項で説明している自家発電設備の並置を考慮します。
  3. 外部電力に不安があり、全く信頼性がないと考えた場合には自家発電からの電力供給を優先します。特に、インフラが十分でない発展途上国では是非とも自家発電を考えるべきです。ただし、初期の建設時期やユーティリティー確保にまず電力を必要とする場合には、外部からの電力供給も必須となりますので注意してください。

自家発電設備は発電機と駆動機(ドライバ)そして電力供給ケーブル、および駆動機(ドライバ)とその付帯設備から構成されています。自家発電設備はその駆動機(ドライバ)の形式から、

  1. ガスタービン発電設備
  2. ガスエンジン発電設備
  3. スチームタービン発電設備
  4. ディーゼルエンジン発電設備

などに分類され、産業プラント以外の民生用小型設備では、効率の良いガスエンジン発電設備が多用されています。また、ディーゼルエンジン発電設備は常用設備というよりは非常用設備として捉えることが多く、外部電力を主電源としているプラントでも、停電時などの電力バックアップ用として常設されています。