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バイオマスは植物や動物に由来する有機物質で、再生可能なエネルギー源です。
このバイオマスをガス化処理して得られるバイオガスの主成分はメタンと二酸化炭素、微量の窒素や酸素などを含んでいます。バイオガス化学プラントでは、このメタンと二酸化炭素からアルコールなどのケミカルを製造します。
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バイオマスとバイオガスに興味を持ったのは、ここ数年、バイオガスを原料にする化学プラントの企業化計画に参加したことがきっかけでした。
この「バイオガス化学プラント」では、バイオマスからのバイオガス製造、それを原料にする化学プロセスについてお話しします。

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2. バイオマスエネルギー

2.1 バイオエネルギー

太陽エネルギーを蓄えたバイオマスから得られるエネルギーのことで、木や木炭などの木質系バイオマス、後述するバイオエタノールやバイオディーゼル、あるいはバイオガスなどの再生可能なエネルギーの一つです。
国際エネルギー機関(IEA)では、木質系バイオマスを除いたエネルギーを現代的バイオエネルギー(modern bioenergy)と呼んでおり、2017年の実績では再生可能エネルギーの約半分を占め、その量は太陽光発電および風力発電の合計エネルギーの4倍に達しています。下記に国際エネルギー機関(IEA)「再生可能エネルギー2018年版」概要に表示されている世界の再生エネルギー消費量の比率を示します。
Modern bioenergy 50%
Hydropower 31%
Wind 9%
Solar PV 4%
Other renewables 6%

なお、IEAでは毎年、エネルギーや資源に関する統計レポートを作成しており、中には無料でダウンロード出来るのもあるので有効に利用したい。

2.2 バイオ燃料

バイオ燃料はバイオマスを原料に作られた燃料を意味しており、前述のバイオエネルギーの中で燃料として利用されているものを指しています。再生エネルギーの一つして注目を浴び、後述するバイオエタノールとバイオディーゼル(BDF)が主なバイオ燃料となっています。特に21世紀になってから欧州やアメリカを中心に開発実用化されてきました。
先ほどの「再生可能エメルギー2018年版」概要に依れば、全世界におけるバイオ燃料生産量は165百万kLに達しています。この量が輸送用エネルギー(自動車やトラック、あるいは船舶や航空機で消費されるエネルギー)全体に対して、どれほどの比率を占めているかを計算してみます。
そこで IEA Oil Market Report(14 Nov. 2017)を参考に輸送用エネルギー量を計算してみます。データとしては同レポートの”Table 2a OECD REGIONAL OIL DEMAND” 中の ”Motor gasoline””Jet and kerosene” および ”Gasoil/diesel oil” を対象とします。この中から主要なデーターをピックアップし次表に示しました。ただし、残念ながらデータはOECD(欧米および日本や韓国など)に関するものしかなく、世界での輸送エネルギーについては推測することにしました。


OECD REGIONAL OIL DEMAND (million barrels per day)
  2015 2016 1Q17~2Q17 Jun17~Aug 17
OECD        
Motor gasoline 14.32 14.55 13.90~14.82 15.01~15.33
Jet and kerosene 4.01 4.16 4.14~4.35 4.29~4.40
Gasoil/diesel oil 13.24 13.20 13.36~13.42 13.19~13.78
Transportation 31.57 31.91 31.60~32.39 33.27~33.15

このTable 2aに依れば、OECDにおける輸送エネルギーの需要は約32~33mb/d(百万バレル/日)、年間で約1,870~1,930百万kLに相当します。次に同レポートにある石油の需要(OECD & Non-OECD)を記載した”Table 2 SUMMARY OF GLOBAL OIL DEMAND”を参考に、輸送エネルギーと石油の需要の間の比例関係をもとに次式から推算してみました。

輸送用エネルギー(OECD & Non-OECD)=石油の需要(OECD & Non-OECD)×輸送用エネルギー(OECD)÷石油の需要(OECD)=(32~33mb/d)×(98~99mb/d)÷(47mb/d)=68mb/d=3,970百万kL

この結果、バイオ燃料生産量(165百万kL)は輸送用エネルギー(3,970百万kL)に対して4.2%とごくわずかな比率しか占めていないことが分かります。
なお、「再生可能エメルギー2018年版」概要ではバイオ燃料を”バイオエタノール”、”バイオディーゼル”および”水素化植物油(Hydrotreated Vegetable Oil HVO)”の三つに分けています。

2.2 バイオエタノール

現在、バイオマス由来の全世界におけるエタノールの生産量は110百万kL(約9千万トン)を超えており、エチレンやアンモニアあるいはメタノールなどの化学基礎物質と肩を並べるほどの規模になってきました。このバイオエタノールの主要な国はアメリカとブラジルで、アメリカではトウモロコシを原料とし、ブラジルではサトウキビを原料にしています。また、バイオエタノール生産量に占めるアメリカの割合は約50%、ブラジルは約25%で、この2ヵ国で全体の75%を占めています。
バイオエタノールの国際価格*1は約40~50US$/hl(0.4~0.5US$/L)です。また、最近のブラジル国内価格(サンパウロ)は、無水エタノールでは1.86R$/L(0.46US$/L)、含水エタノールでは1.71R$/L(0.42US$/L)となっています。
日本国内では2007年度にE3方式(3%のバイオエタノールをガソリンに混ぜる)が始まった。しかし、ETBE方式との競合から進展を望むことが出来ず、国内のバイオエタノール製造所も新潟県のJAを除き、全て停止している。参考「バイオ燃料普及に黄信号」、「環境技術解説 ”バイオエタノール”

*1 OECD-FAO Agricultural Outlook 2016-2025

2.3 バイオディーゼル

バイオディーゼル(BDF)は菜種油や廃食用油などを原料に製造されるバイオ燃料です。
燃料中に硫黄分を多く含まないために硫黄酸化物とスモークを抑制することが出来るので、排ガス対策として有効です。すでに国内でも廃食用油からバイオディーゼルを製造し、バスの燃料として使用されています。また欧州では政策的支援が導入され、積極的にバイオディーゼルの利用がドイツを中心に進んでいます。
なお、参考資料として下記2点を紹介します。

2.4 バイオガス

バイオガスはバイオマスを発酵や嫌気性消化により製造します。通常、このバイオガスの原料は食品の廃棄物や生物の廃棄物あるいは汚泥や汚水、それと生活ごみなどが利用されています。
このバイオガスはメタンと二酸化炭素を主成分とし、それ以外に窒素や酸素および硫化水素を含んでいます。そこで二酸化炭素や窒素、酸素および硫化水素を除去することで、100%濃度に近いメタンを製造することが出来ます。これをバイオメタンと言っており、その主要な用途は燃料です。
米国や欧州ではバイオメタンをパイプラインに入れて、天然ガスの代替として地球環境対策の一環として重要視しています。また、ブラジルなどでもこのような計画を立てているようです。

第1章 バイオマスについて
1.1 バイオマスとケミカル
1.2 バイオマスの分類と利用形態
1.3 バイオマスからの製品
第2章 バイオマスエネルギー
2.1 バイオエネルギー
2.2 バイオ燃料
2.3 バイオエタノール
2.4 バイオディーゼル
2.5 バイオガス