1. 用役(ユーティリティー)と用役設備
1.1 用役(ユーティリティー)の種類
ユーティリティーは用役と訳され、プロセスプラントの運転に必要な電気、水、空気や燃料で、人間の生活に無くてはならないライフラインと同義です。これらのユーティリティーを供給する設備をユーティリティー設備(Utility facility)と呼んでいます。
この用役設備(Utility facility)にはスチームや電力などを扱う設備が含まれ、原料や副原料と同様にプラント運転に必要なもので、日常生活ではライフラインとも呼ばれています。このユーティリティーには以下のようなものが含まれます。
- 電力
- 工業用水
- 冷却水や冷水などの冷媒
- 純水(プラント水やボイラ供給水)
- プラント空気や計装空気
- 窒素
- 燃料(燃料ガス、重油など)
- スチームや温水、熱媒油などの熱媒
すべてのプラントが上記のユーティリティーを全て必要とするわけではなく、プラントの種類や特性により違ってきます。
1.2 用役(ユーティリティー)の起動手順
また、プラントの建設後の試運転では、各ユーティリティーはある順番に従ってスタートされる必要があります。この手順を守らないと、プラントの運転を行うことが出来なくなります。その手順は周辺環境により多少異なりますが、おおむね以下の順番となります。
- 電力
- 冷却水
- 計装空気
- 純水(プラント水やボイラ供給水)
- 窒素
- 燃料
- スチーム
なぜ、この順番にしなければならないかは、それぞれのユーティリティーを作る設備や機械の仕様と運転方法が密接に関係しています。
(以上は「考えたいこと(Pro版)の記事をもとに編集しました)